和束町立和束中学校における普及啓発事業
テーマ:ムラからクニへ(出土品を実際に触れて)
日時
1.実施日 平成19年11月22日(木)13時50分〜15時40分
見学者
対象者 中学1年生徒 38名(2クラス)
 
 場所                  和束町立和束中学校 相楽郡和束町大字釜塚小字北ノ畑1

実施目的
当センターの主たる事業である発掘調査で出土した遺物を用いて「さわる・みる」ことを通じて、古代人の生活と文化を理解してもらう。当事業参加および関係者に当調査研究センター事業内容に対する理解と、普及啓発活動の意義を理解してもらうことも目的とする。
上記プログラムに即して、土器や石器、銅鏡や玉類、甲冑や弓・斧の模型などを用いて、学校授業では学べない生の資料を用いて、生徒の歴史教育の補助となるように努める。

実施手順 
はじめに
講師紹介と(財)京都府埋蔵文化財調査研究センター紹介

授業内容
(1)縄文時代の生活
縄文土器・打製石鏃などの縄文時代の道具や土器に触れ、縄文人の生活実感を体験してもらいました。
(2)弥生時代の土器と農工具
開墾具である太型蛤刃石斧、稲穂を収穫する道具である石包丁、弥生土器を用い、弥生時代の生業である稲作文化を体験してもらった。
(3)古墳時代のマツリ
古墳時代は、稲作文化が発達し、地域社会が統合され、列島内がまとまってくる時代である。地域統合の過程で、地域紛争の解決の手だてとして共同体のマツリが重視されるようになる。マツリでは、各種の祭祀具が用いられていたが、その中で最も重要な役割を担ったのが鏡や鉄器である。こうした古墳の副葬品を用いて、古墳時代のマツリの果たした役割について解説した。
 また、祭祀遺跡に供えられた土器や埴輪に触れることを通じて、祭祀におけるこれらの遺物が果たした役割について説明した。
 
反省点
歴史教科書をテキストに用いて、縄文時代から古墳時代まで、大きく3つの時代にわけて講義を実施した。50分と限られた時間の中で、生徒に「もの」や「社会」の変化の仕組みを解説し、「歴史を学ぶことの意義」を理解してもらうよう配慮したが、講師側の不慣れによる時間配分の不備等もあり、ストーリーの帰結が不透明なままとなってしまった。
 これを反省点として、今後は、道具や装身具、土器などテーマを絞り込んで、通史的にその変化を取り上げたいと思う。

授業が始まりました。生徒も講師も緊張気味!

矢尻(鏃)の説明(弓が逆さま)

石斧の装着について・うまくはまらない!
 なごやかな雰囲気になってきました
実物を「みて・ふれて」古代を実感
和束町の地元の歴史にも触れてみました