塼仏は、粘土を型押しして成形した後、素焼きをして作ったタイル状の仏像です。寺院の壁などに貼り付けられ、堂内を装飾していました。飛鳥時代から奈良時代にかけて盛んに作られました。
塼仏1(写真上)は、長さ3.3cm、幅1.7cmの細長いもので、縦方向に仏像が少なくとも2体以上並んでいたものとみられます。仏像は蓮華座上に結跏趺坐(けっかふざ)しており、頭上には荘厳な天蓋がかたどられています。少し磨滅してはいますが、頭部の形や体に装飾がない様子から、如来形の仏像と考えられます。表面に接着剤としての漆の痕跡があり、わずかに金箔も残っています。もとは表面全体に金箔が貼られ、金色に輝いていたものとみられます。
塼仏2は、長さ4cm、幅2.5cmの小さなもので、3体の仏像が横方向に連座しています。仏像は蓮華座上に結跏趺坐し、頭上には天蓋があります。かなり磨滅していますが、如来形の仏像とみられます。 |