金箔瓦
遺跡ギャラリー

No.015 浅後谷南遺跡

 

空から見た調査地。向かって右側の黒い土色部分に溝や流路跡が分布しています
平坦地では古墳時代の竪穴式住居跡や飛鳥時代の柱穴などがたくさん見つかりました
溝の中には多量の木製品が廃棄されていました
浄水施設(古墳時代前期)は、杭を打ち込んだ横板で溝をせき止めています。横板の上には、v字の切り込みがあり、せき止められた溝がここからあふれ出て、下流側のたて板の上におちるようになっています
この浄水施設(古墳時代前期)は、長さ3.5m、幅1.1mの一木造りの導水管とその上流側に堰状施設からなっています。堰の横板の上にはV字の切り込みがあり、ここから水が流れ込むようになっています。
 
名 称

浅後谷南遺跡(あさごだにみなみいせき)

時 代
弥生時代後期~古墳時代前期、古墳時代後期~平安時代
調査年
1997・1998
所在地
京都府京丹後市網野町
コメント
 日本海にほど近い丘陵裾に位置する遺跡で、調査により、弥生時代前期~平安時代に至る遺構や土器を検出しました。特に、弥生時代後期~古墳時代前期にかけての流路や溝跡からは多量の土器と共に多数の木製品が出土しました。流路の中には浄水施設や堰、護岸施設が設けられていました。水にまつわる儀式がおこなわれたのでしょう。平坦部では、古墳時代の竪穴式住居跡のほか、飛鳥時代遺構のピットを多数検出しました。日本海側有数の前方後円墳である網野銚子山古墳との関連が注目されます。
備 考
都府遺跡調査概報』第83・93冊 1998・2000
浄水施設に伴う木製品は府指定文化財