平成22年度 発掘調査情報
   
遺跡名 中山城跡第6次
所在地 舞鶴市中山地内
調査期間

2010/4/6~10/8

調査面積 1,800㎡
調査原因 道路建設
主な遺構 中世:掘立柱建物跡・柵列・桟敷跡・切岸・堀切・郭
主な遺物 古墳:須恵器片
中世:土師器・須恵器・陶器・瓦器・中国製磁器・鉄製品(釘)・銅製品(鞐)・碁石
   
 
 
中山城は舞鶴市の西方、由良川に面した山尾根上にあります。最も高い郭は標高約60mで、眼下には由良川を見下ろせます。中山城自体は、南北300mの尾根を10本の堀切で遮断し、尾根上を点々と平らに成形して9か所程度の郭を造った連郭式の山城です。
 
発掘調査により、自然の地形を改変して郭が造られたこと、郭の周囲に堀切や切岸(急な斜面)が造られたこと、平坦な郭には簡単な建物や柵が作られていたことがわかりました。
 
出土遺物には、土師器皿、丹波焼甕・すり鉢、越前焼鉢、美濃・瀬戸天目茶碗、中国製染付け・白磁皿・青磁椀などのほか、甲冑の部品である鞐が出土しました。こういった出土遺物から、この城には戦時のみではなく、平時にも人がすまわっていたものと推測されます。
 
またある段階で城が造り替えられ、郭が広げられたことがわかりました。その時期は、出土遺物より16世紀前半に築造されたと推測されます。これはおそらく、1579年に一色氏が戦いに破れ、その後、細川氏の部下である沼田氏が中山城に入りますが、中山城はこの時に改造されたものと思われます。