平成22年度 発掘調査情報
   
遺跡名 塩谷南古墳
所在地 船井郡京丹波町曽根
調査期間

2010/10/18~2011/1/20

調査面積 850㎡
調査原因 道路建設
主な遺構 古墳:古墳・木棺墓
主な遺物 古墳:土師器・須恵器・鉄剣・鉄鏃・刀子
   
 
 
塩谷南古墳群は、府立丹波自然運動公園を北に望む眺望のよい丘陵上にあり、平成元年度の発掘調査で巫女形埴輪2体が出土した塩谷古墳群の南に隣接します。
 
調査の結果、古墳1基がみつかりました。墳形は円墳で、直径約15mを測り、高さは約2.5mです。古墳頂部から、棺形態の異なる埋葬施設2基がみつかりました。
 
第1埋葬施設は木棺を納めたもので、木棺を納めるための墓壙は、長さ3.7m、幅1.8mの長方形で、内部から長さ2.2m、幅0.65m、深さ0.3mの割竹形木棺の痕跡を確認しました。棺の内側はベンガラが塗られ、鉄製のやじり1点が副葬されていただけでした。
 
第2埋葬施設はやや不整形な長方形の墓壙で、長さ3.7m、幅1.6mを測ります。西側にテラス状の段を設け、そこに須恵器壺1点とその周囲に有蓋高杯7点が固めて置かれていました。
 
古墳の埋葬主体はタイプの異なる二つの木棺を納めたもので、造られた時期は北側の塩谷古墳群とほぼ同時期の5世紀末から6世紀初頭ものと考えられます。この古墳群の被葬者は、塩谷古墳群とともに、当時のこの地域における有力者の墓であったと推測されます。