平成22年度 発掘調査情報
   
遺跡名 鈴谷遺跡
所在地 長岡京市奥海印寺高山・鈴谷
調査期間

2010/6/1~10/28

調査面積 2200㎡
調査原因 道路建設
主な遺構 古墳:横穴式石室・土坑・ピット
主な遺物 古墳:須恵器・土師器・埴輪・製塩土器
   
 
 
鈴谷遺跡は長岡京跡の西に位置し、古代の須恵器窯跡の存在が想定されています。今回の発掘調査は、平成21年度の調査で古墳の石室が検出され、近接する地点で古墳時代前期の埴輪が出土したことを受け、同地点の調査トレンチを拡張して広範囲に発掘調査を実施することとなりました。
 
調査区北寄りの地点で、小規模な無袖式の横穴式石室を1基検出しました。石室の規模は全長3.5m(玄室長2.0m、羨道長1.5m)、幅0.6mです。玄室床面には小石が敷かれ、須恵器杯・蓋2セットと土師器甕が床面直上から出土しました。この石室は、須恵器の形態から7世紀中頃〜後半頃と考えられ、乙訓地域の古墳の中で最も新しい時期の古墳と言えます。
 
調査区では数多くのピット・土坑を検出しました。その性格はよくわかりませんが、6世紀頃の生活を示す遺物がまとまって出土していることから、周辺に集落が営まれていた可能性があります。また、埴輪が出土したことから、調査区付近に埴輪を伴う前期古墳が存在していたものと推測されます。