平成22年度 発掘調査情報
   
遺跡名 山崎津
所在地 乙訓郡大山崎町大山崎
調査期間

2010/12/14~2011/2/18

調査面積 800㎡
調査原因 河川敷道路整備
主な遺構 平安:溝
中世:溝・土坑・井戸・柱穴
主な遺物 平安:土師器・須恵器・緑釉陶器
中世:土師器・瓦器・陶磁器・瓦
   
 
 
山崎津は奈良時代から平安時代の港で、荷物を積載した船が大阪湾から淀川を遡上り、この津で下されて、陸路、長岡京や平安京に運ばれました。奈良時代には山崎橋が架けられ、山陰道が通じていました。今回の調査は、桂川左岸の河川敷内で実施しました。
 
調査は10か所の調査区を設けて実施しました。
 
これらのうち、1区では表土下約3.5mで、中世土器を多量に含む包含層が広がっているのを確認しました。12~13世紀を中心とする土師器、須恵器、瓦器、瓦、緑釉陶器、陶磁器、木製品があります。
これらの遺物は器壁がほとんど磨滅していませんので、近隣で廃棄されたものが川に流されず、そのまま埋まったものと考えられます。こういったことから隣接地に集落があったものと考えられます。大山崎の中世段階には油座が設けられ、大いに栄えたことが史料からわかっていますが、そういった一端を窺える遺物といえましょう。