平成22年度 発掘調査情報
   
遺跡名 美濃山廃寺・美濃山廃寺下層遺跡 第6次
所在地 八幡市美濃山古寺
調査期間

2010/12/6~2011/3/4

調査面積 1,500㎡
調査原因 道路建設
主な遺構 古代:溝
近世:土坑・ピット
主な遺物 縄文:打製尖頭器
古代:瓦
中世:土師器
近世:陶磁器
   
 
 
美濃山廃寺は奈良時代から平安時代前期まで存続した古代寺院で、今までの調査により、東西約90m、南北約90〜120mの規模と推定されています。また、ほぼ同じ位置に重複して所在する美濃山廃寺下層遺跡は、弥生時代後期の集落遺跡で、丘陵上に立地する、いわゆる「高地性集落」です。
 
調査対象地は美濃山廃寺の中心部から約200m南の丘陵上にあります。この地は竹林として利用されており、著しく地形が改変されていました。そのため、調査対象地内の広範囲に10か所のトレンチを設定し、本来の地形の把握と遺構・遺物の確認を行いました。
 
調査の結果、遺構の分布はかなり希薄であることがわかりました。第8トレンチで、古代に帰属する可能性のある溝状遺構が検出されましたが、平面形態が不定形で直線的な形状にならないことから、寺院関連の溝とは考えにくいものでした。しかし、瓦等の古代の遺物が出土しましたので、何らかの寺院関連施設の存在が想定されます。