平成22年度 発掘調査情報
   
遺跡名 椿井遺跡第4次
所在地 木津川市山城町椿井御霊後
調査期間

2010/8/10~11/21

調査面積 1050㎡
調査原因 道路建設
主な遺構 縄文:流路
弥生:方形周溝墓・竪穴式住居跡か?・土坑・流路
古墳:横穴式石室
飛鳥:溝
中世:柵列・土坑
主な遺物 旧石器:ナイフ型石器
縄文:石鏃・剝片
弥生:弥生土器
古墳:須恵器・鉄器・装身具
飛鳥:土師器・須恵器
中世:土師器・瓦器
   
 
 
椿井遺跡は、木津川市山城町椿井に所在する縄文時代から近世にかけての複合遺跡で、これまで3回の発掘調査が実施されており、縄文時代後期の墓や弥生時代後期の竪穴式住居跡、土坑、飛鳥時代の溝・建物・柵列のほか中世以降のピットや土坑などが確認されています。
 
調査は5つのトレンチで行い、1トレンチでは弥生時代の方形周溝墓や土坑、流路、2トレンチでは中世の柵列と土坑、3トレンチでは近世以降の土取穴を検出しました。4トレンチでは顕著な遺構・遺物はありませんでした。
 
5トレンチでは古墳を2基確認しました。古墳1は、直径16mの円墳と復原できます。
埋葬施設は、北西に入口を設ける石室で、石材の抜き取り痕から羨道部と玄室との間に段差がある竪穴系横口式石室と考えられます。石材はほとんど抜き取られていました。石室からは、刀子1点、鉄鏃5点以上と碧玉製管玉が8点出土しました。
 
古墳2は、周溝の一部が残っており、直径13mの円墳に復元できます。
 
埋葬施設は南西に開口する横穴式石室で、床面には礫が敷かれていました。石材はすべて抜き取られており、遺物は、石室埋土から須恵器の甕片1点が出土しただけでした。