遺跡ギャラリー

No.008 薪遺跡

 

東西1km、南北900mの遺跡範囲の南西部分を調査しました。写真は南東から。
竪穴式住居跡は1辺約5mを測る隅丸方形を呈しています。主柱穴は4基、中央やや北側に炉があります。炉は熱により真っ赤に焼けていました。
古墳は直径20m程度の円墳や一辺20m程度の方墳などが4基確認されました。遺跡の背後の山には数多くの古墳が造られており、それらを束ねた首長の古墳と考えられています。
掘立柱建物はほぼ真北を向くこと、遺跡の近くに平城京から地方へと向かう山陰道があること、硯などが出土していることから、古代の役所や役人の居住地といった役所的な性格が想定されています。
 
名 称

薪遺跡(たきぎいせき)

時 代
縄文時代中期~平安時代
調査年
2001~2006
所在地
京都府京田辺市大字薪小字高木・狭道
コメント
 京田辺市教育委員会の調査を含めて、8次の調査が行われています。特に、平成13年度から、道路整備関係の調査を当調査研究センターで実施しています。調査により、様々な時代の遺構が見つかっています。縄文時代の遺構には、中期の竪穴式住居や土坑があります。流路内からは、近畿地方でも最大規模の石棒が出土しました。古墳時代の遺構には、古墳や竪穴式住居跡が見つかっています。古墳の周濠からは、円筒埴輪のほか、盾形埴輪や家形埴輪、甲冑形埴輪が出土しました。これらの古墳は奈良時代に埋めたてられて、掘立柱建物や土坑が造られています。
備 考
『京都府遺跡調査概報』 第106・110・113・117・121・128冊