金箔瓦
遺跡ギャラリー

No.009 篠窯跡群

 

篠窯跡群は、百数十基の窯跡があると推定されています(石原畑窯跡群)
窖窯調査状況。窯の手前には、火を焚いた燃焼部があり、炭や焼土が厚く堆積しています
(西長尾1・4号窯)
焼け損じの土器が窯跡の中には残されていました(芦原窯跡)
緑釉陶器を焼いた2基の小型三角窯です。手前の一辺の両側2か所で燃料を燃やすことで、効果的に窯の温度を上げました(前山2・3号窯)
ロストル式の楕円窯。底面より一段高い位置にロストル(火格子)が設けられており、下から熱風が焼成室に吹き上がる構造となっています(西長尾5号窯)
ロストルの下には分焔柱と呼ばれる支柱があります。手前で燃料が燃やされ、分焔柱で火が分けられて、窯全体に行き渡るようになっています(西長尾5号窯)
 
名 称

篠窯跡群(しのかまあとぐん)

時 代
奈良~平安時代
調査年
2001
所在地
京都府亀岡市篠
コメント
 篠窯跡群は、京都市から亀岡盆地にはいってすぐの丘陵斜面にあります。ここでは、奈良時代の須恵器生産に端を発し、平安時代には須恵器や緑釉陶器が大量に焼かれ、平安京などに出荷されました。百数十基の窯跡があると推定されています。窯には窖窯と呼ばれる斜面を煙突状に掘った窯や、ゆるやかな斜面を三角形に掘り、2か所で火を焚いた小型三角窯という独特の窯があります。また、ロストルと呼ばれる火格子や分焔柱を備えた窯も見つかりました。
備 考
『京都府遺跡調査報告書』第2・11冊 1984・1989