遺跡ギャラリー

No.010 市田斉当坊遺跡

 

集落の途切れた辺りから上は、かつて巨椋池と呼ばれる池がありました(写真は南から)
左側に大溝・方形周溝墓、右側に竪穴式住居跡が見つかりました
竪穴式住居跡は同じところに何度も造り替えられています
竪穴式住居跡の床面から玉砥石が出土した状況(出土遺物ギャラりー20で紹介しています)
擂り鉢型をした穴の底に縦板で組んだ弥生時代中期の井戸が見つかりました
 
名 称

市田斉当坊遺跡(いちださいとうぼういせき)

時 代
弥生・古墳時代、中世
調査年
1998~2001
所在地
京都府久世郡久御山町市田
コメント
 市田斉当坊遺跡は旧巨椋池の南畔にある弥生時代~古墳時代・中世の集落遺跡です。調査の結果、弥生時代中期の大規模な集落跡が見つかりました。北と南に方形周溝墓を中心とした墓地をもち、その間の約250mの間に竪穴式住居跡が約100棟見つかり、居住空間となっていました。竪穴式住居跡は重複しており、同じ位置で何度も建て替えられたと考えられます。調査範囲だけでも同時期に10棟の竪穴式住居があった考えられ、集落全体では50棟程度あったと復原されます。また玉作関連の遺物が多量に出土し、集中的に玉が造られていることがわかりました。興味深い遺構として、弥生時代中期の木組みの井戸がみつかりました。縦板の内側を横桟で止めたもので、同時期の日本列島では類例がなく、朝鮮半島の井戸とよく似た構造を有しています。
備 考
『京都府遺跡調査報告書』第36冊 2004